アトピー性皮膚炎入門

アトピー性皮膚炎の治療にとまどわないよう、基本的な知識を知ってもらおうと、以前行っていた「アトピー性皮膚入門」のスライドを手直ししています。少しづつ追加していきたいと思います。

当院のアトピー性皮膚炎の治療の基本方針(子供さんの場合)
アトピー性皮膚炎とは

アトピー性皮膚炎は日本人の3割から4割の人が体質を持っているといわれています。が、すべての人がアトピー性皮膚炎になるわけではありません。
敏感な皮膚質ですので、何度も繰り返し、悪化させていると、アトピー性皮膚炎の皮膚質を獲得してしまいます。
成長とともに治っていく人も多くいます。
成人期までに治らないと、それから治すのは難しくなります。
アトピー性皮膚炎はアレルギーで発症すると思っている人が多いようですが、そうではありません。

アトピー性皮膚炎は素因を持つ人に発症します。

アトピー性皮膚炎は素因を持つ人に発症します。

繰り返している内に、だんだん治りにくくなります。

1.成長を考えた一貫性のある治療

1.子供の成長を考えた一貫性のある治療(トータルヘルスケア)

トータルヘルスケアとは
成長を考えた、治療をしていくということです。

皮膚も身体の臓器の一つです。
心身の発達のことを考えたアトピー性皮膚炎の治療が必要となります。

スキャモンの発達曲線

有名なスキャモンの発達曲線です。
人間の体は生きていくために必要な、脳、神経系の発育が最優先されます。
ついで、内臓、骨、筋肉の順に発育いていきますので、その間の栄養は必要臓器に最優先されます。

皮膚への栄養は後回しになります。

思春期に一気に正常の皮膚に成長させる

3歳位まではいくらがんばって皮膚のケアをしても、なかなか良くならないことがあります。
根気よく治療を続ける必要があります。

良い皮膚に成長させるには?

皮膚の成長の順番が来るまで、家族の人たちが、頑張っていい状態を保ってあげる必要があります。

いい状態を保っていると、成長期に一気に治ってしまう可能性があります。

成長をささえる手段

栄養、運動、休養・睡眠(熟睡)は成長には欠かすことはできません。

皮膚炎をうまくコントロールしながら、適度に運動もできるようになると、より健康な皮膚や身体ができてくると考えています。

成長ホルモンの分泌

成長ホルモンの分泌です。
成長ホルモンは夜寝ている時間帯に分泌が高まります。
昼間運動すると分泌が多くなります。
このことは1974年にはわかっていました。
子供さんの成長には遊びや運動は不可欠です。
成人も同様のパターンをとります。
社会人になって悪化する場合はこのことも影響します。

したがって、成長を考えた一貫性のある治療が必要なのです。

スポーツ医学の情報です。
運動は脳の血流を増加させ、脳細胞を活性化させます。
子供の成長に適度の運動は欠かせません。

小児の学業成績に身体活動が関連

シカゴ〕アムステルダム自由大学医療センター(アムステルダム)EMGO保健医療研究所公衆・労働衛生部のAmika Singh博士らは,先行研究のシステマチックレビューを行い「小児の身体活動と学業成績に正の相関があることが分かった」とArchives of Pediatrics & Adolescent Medicine(2012; 166: 49-55)に発表した。

Medical Tribune 2012年3月29日(VOL.45 NO.13) p.17より

2.皮膚炎のコントロール

スライド部分をアップしました。
右の解説はもうしばらくお待ちください。

アトピー性皮膚炎治療ガイドラインの概要
皮膚炎のコントロール
皮膚炎のコントロール
掻く(かく)
1.痒みのコントロール
2.皮膚炎の治療
正常な皮膚・アトピー肌、乾燥肌
強い角質層を作る必要がある
アトピー性皮膚炎の皮膚
アトピー性皮膚炎の皮膚質
乾燥という危険信号(ストレス)

ストレスという言葉がでてきました。

心理的ストレスは表皮バリア機能のホメオスタシスを乱す

ストレスが皮膚のバリア機能を変化させるという論文です。
ストレスのコントロールが必要になってきます。
もうしばらくお待ちください